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お知らせ

「天然由来性機能性成分の組み合わせによるコラーゲン合成促進メカニズムの解析について」日本薬学会第143年会におけるポスター発表のご報告

技術・研究開発

2023/04/06


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ちふれグループのジャパン・オーガニック株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:増田 剛)は、この度、株式会社テクノーブル(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:澤木 茂豊)と共同研究を行い、加水分解コメエキス、加水分解コメヌカエキス、加水分解ダイズエキス(黒大豆)を組み合わせて配合することにより、細胞内プロコラーゲン産生を優位に促進することを見出しました。また、異なる作用機序でのコラーゲン産生のメカニズムも確認し、これらについて、2023年3月25日(土)から3月28日(火)に札幌の北海道大学で開催された日本薬学会 第143年会でポスター発表いたしましたことをご報告いたします。

■発表タイトル
和文名:天然由来性機能性成分の組み合わせによるコラーゲン合成促進メカニズムの解析
英文名:Analysis of collagen synthesis promotion mechanism by combination of naturally derived functional ingredients

■本研究の背景
ジャパン・オーガニック株式会社は、2007年の会社設立以来、化粧品を通して社会に貢献することを目指し、「肌と心へ、オーガニックの真価を」をテーマに掲げ、肌に合うものであるかを前提に、農薬を使わずに栽培された有機JASの玄米や黒大豆といった日本の伝統食材を探し求め、何ひとつ妥協することなく、ビューティーとサスティナブルが両立した商品を開発しています。
ただし、「オーガニック認証化粧品」でありながら、「一般化粧品」のように優れた品質・性能を実現させることは容易なことではなく、ちふれホールディングス株式会社の綜合研究所とともに、日本発のオーガニックコスメのパイオニアとして、環境に配慮し、循環型社会の創造を一層力強く推進するための商品開発と研究に力を入れています。

■本研究の概要
皮膚におけるシワやたるみ等の老徴は、主に真皮コラーゲン等のECM(Extracellular matrix(細胞外マトリックス))成分の量的質的な変化が表れたものと認識されています。真皮の大部分を占めるコラーゲン繊維は、タンパク質として合成された後、プロセシング(合成されたタンパク質が様々な修飾)を受け、繊維を形成するなど複雑な過程を経ます。このことにより、効果的なコラーゲンケアを達成するためには、異なるポイントで作用する保湿成分を組み合わせる事が重要と考え、本研究では、3つの天然由来保湿成分である加水分解コメエキス、加水分解コメヌカエキス、加水分解ダイズエキス(黒大豆)について検討いたしました。

■研究対象素材
加水分解コメエキス、加水分解コメヌカエキス、加水分解ダイズエキス(黒大豆)のイメージ図 加水分解コメエキス、加水分解コメヌカエキス、加水分解ダイズエキス(黒大豆)のイメージ図
■試験方法概要
線維芽細胞NB1RGBを播種し、1日培養後評価試料を含む培地を添加した。その後、さらに5日間培養した後、シリウスレッドにより細胞内のプロコラーゲンを染色した。洗浄後、シリウスレッドを抽出し、540nmの吸光度を測定した(図1)。

■結果と考察

3種のエキスの組み合わせによる細胞内プロコラーゲン(コラーゲンの前駆体)の評価では、加水分解ダイズエキス(黒大豆)の比率に依存して効果が高くなりました(図1)。これは加水分解コメエキスと共に加水分解ダイズエキス(黒大豆)には、合成に関わる転写因子SP1(specificity protein 1(ジンクフィンガー型転写因子))、AP-1(activator protein 1(アクチベータータンパク質1))に対する転写活性の高い亢進効果が直接の原因ということが考えられました。また、加水分解ダイズエキス(黒大豆)には、プロセシングに作用する効果も示唆されました。一方、加水分解コメヌカエキスについては、SMADの転写活性を亢進し、TGF-β(Transforming Growth Factor-β(トランスフォーミング増殖因子))等サイトカイン(細胞から分泌される低分子のタンパク質で生理活性物質)による発現調整をサポートする効果が考えられました。生体内でのコラーゲン繊維形成の過程に対して複数の異なるポイントで作用することが確認されたことから、この天然由来保湿成分の3種の組み合わせによって効果的なコラーゲンケアが可能となることが示唆されました(図2)。

図1. 試料添加5日後の細胞内コラーゲン量図1. 試料添加5日後の細胞内コラーゲン量
図2. 加水分解コメエキス、加水分解コメヌカエキス、加水分解ダイズエキス(黒大豆)の組み合わせによるコラーゲン合成促進メカニズムの作用ポイント 図2. 加水分解コメエキス、加水分解コメヌカエキス、加水分解ダイズエキス(黒大豆)の組み合わせによるコラーゲン合成促進メカニズムの作用ポイント

当社では、引き続き本研究を継続し、成果を製品に応用する取り組みを進めてまいります。


リリースPDFデータ[PDF0.69MB]



※ ここに掲載されている情報は、発表時(2023年4月6日)の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、予めご了承ください。

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