2つの美白成分を配合した
医薬部外品の商品が誕生するまで

シミやソバカスなどの肌の悩みを本気で解決したい——そう願い、誓った綜合研究所は、国によって承認された2つの美白有効成分「アルブチン」と「ビタミンC誘導体」をW配合したスキンケア商品を開発し、展開しています。医薬部外品として、商品が承認を得るまでには、様々な苦労と工夫がありました。

当たり前をくつがえす美白有効成分のW配合

2つの有効成分を同時に肌へ与える美白商品を作りたい——綜合研究所で美白W主剤プロジェクトが始まったのは2008年のことでした。その頃、ちふれブランドでは「アルブチン」を有効成分とした美白化粧品と、「ビタミンC誘導体」を有効成分とした美白化粧品の2つのシリーズを展開していましたが、シミやソバカスの悩みを解決して美白をしたいというニーズが高まるなか、美白商品をどのように進化させていくかを考える必要がありました。

そのような中、「機能」「品質」「価格」の面で、お客様にもっと喜ばれる美白商品を作れないかと検討していた綜合研究所は、美白有効成分を2つ同時に配合した化粧品の存在を知りました。当時、美白有効成分は1種類だけの配合が一般的でしたが、複数の美白有効成分でも医薬部外品として承認が下りる可能性があることを知った綜合研究所は、W配合の美白商品の開発と承認申請に挑戦することにしました。

W配合の効果を調べる

まず基礎研究を行うチームがアルブチンとビタミンC誘導体を併用した場合の美白効果を検討しました。そして、培養細胞による実験の結果、単独で用いるよりも高い美白効果を発揮することがわかりました。W配合には意味があると確信した綜合研究所は、美白W主剤の商品化が可能かどうか検討するために、仮処方での医薬部外品の申請を実施しました。

医薬部外品の商品化には、厚生労働省の製造販売承認が必要となりますが、医薬品医療機器総合機構とのやりとりの結果、無事、承認を得ることができました。

安定かつ安全なW配合の処方を探す

承認を取得した次に行ったのは、より安定した製品を開発するための詳細な処方検討でした。アルブチンやビタミンC誘導体は単体でも保管条件によって着色や臭いが発生することがありますが、2つを組み合わせたときにも変色が起こってしまいました。そのため、最適なpHや変色の原因となっている原料の調査を行いました。医薬部外品では使用できる成分が決まっており、効果が非常に高い安定化剤であっても使用できないことがあります。また、皮膚への安全性も重要です。厳しい条件の中、安全性と安定性を両立できる成分の種類や配合量を様々に検討し、ようやく安定して配合できる処方が固まりました。ところが、美容液製剤をつくってモニター試験を実施したところ、変な臭いがするという感想が多数寄せられました。調査の結果、配合した安定化剤が原因だとわかり、ふたたび配合を変えることになりました。全部で50種類近くの処方を検討し、安定性試験を実施した結果、ついにW主剤の安定性を保つ処方を見出しました。

医薬部外品の信頼感が身近になった美白W商品

2009年にアルブチンとビタミンC誘導体を配合したスキンケア商品を発売することができました。2013年には美容液だけでなく化粧水や乳液も仲間入りし、多くのお客様に喜んでいただいています。

ArbとASGの作用についての模式図。皮膚モデルでの効果検証(N=3)の図。※2021年学会発表時の検証データ ArbとASGの作用についての模式図。皮膚モデルでの効果検証(N=3)の図。※2021年学会発表時の検証データ

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