お知らせ
液晶形成用組成物、液晶含有化粧料についての研究成果に伴う特許取得のお知らせ
技術・研究開発
2023/03/09
ちふれホールディングス株式会社(本社:埼玉県川越市、代表取締役社長:片岡 方和)は、かねてより基礎化粧品の基本となる保湿機能の研究に力を入れております。その成果の一部として「液晶形成用組成物、液晶含有乳化剤及びクリーム状又はフィルム状を呈する液晶含有化粧料」を特許出願しておりましたが、この度特許を取得したことをご報告いたします。
<研究内容について>
皮膚の一番外側にある「角層」の細胞間脂質は液晶構造をとり、皮膚の保湿機能とバリア機能を担う非常に重要な組織です。しかし、角層は外界からの刺激を大きく受けるため、しばしば構造が乱れ、機能が低下することがあります。そのため、基礎化粧品においては、角層の液晶構造のケアを目的とした製品もあります。
一方で、液晶を有する化粧料を製造しても、長時間安定的に構造が保てずに成分が析出してしまうなど品質に影響が出る場合や、皮膚に塗布すると状態が変わってしまい期待した機能を発揮しないなど、不具合を生じることがありました。
そこで当社は、角層に含まれる成分と構造が類似した特定の成分の組み合わせにより、容易に液晶を形成することができる組成物を見出しました。さらに種々の皮膜形成高分子にその組成物を分散させることで、容器中では液状で、塗布後の皮膚上ではフィルム状で安定的に液晶構造を保持する化粧料を調整する技術を見出しました。
具体的には、レシチンなどの両親媒性物質と、ステロール、直鎖脂肪酸の組み合わせを加温融解した組成物を作製した後、水性及び油性溶媒を加えることにより、容易に液晶を作ることができ、これと種々の皮膜形成高分子を組み合わせることで、上記のような長時間安定した液晶構造を保持する化粧料が提供できます。
また、本組成物を含有した化粧料では、角層と類似した機能を果たすことが期待でき、保湿効果、バリア効果が見られることを確認しております。
当社は本技術を活用した商品開発をはじめ、安全性、品質、顧客利益の高い化粧品の研究開発に一貫して取り組み、今後も新しい商品開発に取り組んでまいります。